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向日葵のいたところは、広い田園風景が続くのんびりとした場所でした。細いデコボコ道の左右にはもう種を実らせつつあるブラウン色をした向日葵畑が続いていました。道のむこうでは、ライム・ストーンという石灰石で造った家々も建ち並んでいます。ライム・ストーンは、日が傾きはじめると琥珀をひかりに透かしたような蜂蜜色に変色します。その美しさはこの世のものとは思えないほどでした。そんななかを向日葵はてくてくと歩いていました。 いつもの道を少しそれた細道を歩いていた向日葵は、道のむこうに一軒のカフェがあることに気がつきました。「Cafe de lune」という看板がかかっています。ひきよせられるようにカフェの前までくると、なかからなんともいえない焼き菓子のいい匂いがしてきました。向日葵は匂いに誘われ丸太の扉に手をかけ、すいこまれるようになかにはいっていきました。 中にはいると、丸いテーブルに真っ白なクロスがかかり、その一つ一つにはキャンドル・ライトが灯っていました。天井には軽い音をたてながらプロペラが回っています。そしてふきぬけのガラス窓からは、太陽のひかりがきらきらとさしこんでいました。 カフェではランチをおえ、お茶を飲みながらくつろいでいる草花がいました。草花ですって?草花がお茶を飲むのかしら?そんなことはありえません。でもなぜかこのカフェでお茶を飲んでいるのは葉っぱの手足がついた草花たちでした。カップルで楽しそうにお話しているペパーミント、なにかの本を夢中で読んでいるローズマリー、蕾のふくらみかけた綿たちはおいしそうなパンをほおばっていました。 向日葵は窓際の隅のテーブルにつくことにしました。籐でできたきみどり色のイスにすわると、向日葵のおなかがぐーとなりました。きょう向日葵は、お風呂に長くつかりすぎたせいでランチをとるのをわすれていたのです。なににしようかしら?向日葵はたくさんあるメニューを読みはじめました。 フィンガーのページに戻る index |