|
Cafe de lune 絵/井上貴博 あるところに、なにをしてもみんなより3テンポほどおくれてしまう向日葵がたっていました。花言葉である光輝に憧れながらも、まだ花は咲いていませんでした。仲間の向日葵がつぎつぎと花を咲かせている中、ゆっくりとそだっていたのです。 風が秋色に変わってきたころ、その向日葵はようやく小さな蕾をふくらませ庖をひらきはじめました。夏の間じゅう、太陽のひかりにまっすぐ顔を照らし、小さなカラダをうんとのばしていた向日葵の様子は、太陽の神アポロンのこころをとらえました。アポロンはこの向日葵に、一つの部屋と葉っぱでできた手足をあたえることにしました。 ギラギラと太陽が照りつけるある昼下がりのことでした。向日葵は大好きなお風呂にはいっていました。夏に収穫したトウモロコシ風味のお湯は、まるでコーンポタージュのようでした。この黄色いコーンポタージュのようなお風呂は、向日葵のお気に入りでした。あんまりきもちがよかったので、向日葵はお風呂の中でののののーんののののーんと歌を歌っていました。きょうのお風呂の香りはまたいちだんとトウモロコシ風味がきいていてきもちがいいわっと。ののののーんののののーん。向日葵は黄色い汗をぽたぽたとかきながら、手足である葉っぱをゆらゆらと泳がせていました。葉っぱがもう少しでふやけて溶けそうになったころ、ようやく向日葵はお風呂からあがると、散歩に出かけることにしました。 フィンガーのページに戻る index |