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青 海の底に潜りたいとか、まだ僕には火星に行 ってみたい青さが残っているとか、空の葉書 は和むとか、そんな色としての青は人に触れ ながら自分も触れ合える袋が少し開いていて あたたかい、 目を閉じても見えず、電波では伝わらない、 一度だけ聞いた声が混ざらない青色の光だっ たのを覚えている、雪のような、誰かを反射 しながら彩色する、発光体ではない、青い微 粒子、 物語の中を素通りする、反射も吸収もしない まま、本当の光が無色透明だったなんて、ア イコンタクトを知らない、真っ直ぐに見るこ とも、わたしの青い記憶が、感じるカラダを 震わせる、 招待された青い扉を逆に走り、気づいて引き 返したとしても、過去は偶然の重なり、扉は 青が群青に染まる瞬間のように閉じられ、わ たしはそれから半年ぐらいの間、青い絵を眺 め続けている、 何も言えないことを伝えたい、混ざらない青 色ってキレイ、色鉛筆の空想も、滲んでゆく、 一滴のプリズム、見えない波長へと、宇宙の 空は真っ黒だった、届かないところへ、突き 抜けてゆく、 教えによって花が開く、青いままでは閉じて しまうの、自分があるでしょ、それでは花は 開かないという教えをもらう、青い言葉を並 び立て変換し切り取り貼り付け、真っ青に染 まろうという試みは拒絶され、しかしその直 後、わたしの中から一つの糧が生まれた、 薄い青を想った、りんどう色くらいの、誰で もなくわたしでもない他者がいて、もうコワ イというよりは晒して、遠くでは青い友達が それぞれの場所で生きていたりするから、 りんどう色の時間の巻き方、例えば北極星ま で光の速度でわたしを届けるとする、その時 わたしはもういないことを受容し、どこにだ って行けることを知る、落ちてゆかずに、そ のまま、わたしのカラダは薄青に染まってゆ くだろう、一本の長いレールの向こうで、 もし空を仰ぎ、その色が鈍色で、一時もナミ ダを流さず、不安定な風が耳に吹き抜けたと したら、青い詩は捨てて電車に乗り、レール に沿ったカラダを守りながら、揺れに身を任 せ、少しの間眠る、さみだれる景色、 夢からの覚醒は景色を変えた、雨上がりの空 だった、遠くの西の空では金色の光を反射し ている、その層の上には混ざらない薄青の空 が一ピースばかり、留まり、電波の向こうで 聞いたあの声の光がよみがえるひととき、 生あたたかい風が通り過ぎてゆく、悪いこと ばかりではないような金色の空の向こう、わ たしは薄いりんどう色の時間に、ゆっくりと 巻かれていた、 1999.6 |